アーラティー教室(ヨーガ道&アーユルヴェーダ)

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2021.08.13旅とヨーガ

北アルプスの山行とヨーガ(②燕岳〜(大天井岳)~西岳◆2日目)



★上の写真をクリックすると動画が開きます(これは北アルプスの燕岳から槍ヶ岳を目指した縦走登山の記録です。ヨーガのスピリットと共に歩いた4日間、様々な気づきや想いを綴っています)

2日目:燕岳~(大天井岳)~西岳

燕岳の燕山荘(標高2,704m)からヒュッテ西岳(標高2,686)へは距離約11km、標高差は+694m、-716m、約7時間強かけた道のり。雨の影響等でコースタイムより1時間ほど遅れたため、大天井岳はサミットを踏まずに通過した。

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登山をするものなら誰もが一度は経験したいと思うであろう、北アルプスの表銀座縦走。燕岳から大天井岳、西岳などを経て槍ヶ岳までの縦走路は、「槍を見ながら進む喜びと、槍に徐々に近づいていくワクワク感がたまらない」と多くの人が言う。距離は短すぎず長すぎず、高低差も程よい、天気が良く小屋泊の軽装ならば、多くの登山者がスキップしながら歩むかもしれない。しかし、天候と装備によって体感が大きく変わるのが登山だ。通常小屋泊の荷物は8~10㎏位かと思うが、テント泊の荷物はその倍くらいになり得る。15kg程度に収められれば理想だが、3泊4日ともなれば15㎏に収めるのはきつい。私の16㎏という重さは妥当なところだと思う。
小屋泊の倍近くにもなる16㎏という重さは、体にずっしりと食い込んでくる。平地を歩くだけでも重さを感じるのに、バランスを崩すことなくアップダウンを繰り返さなければならない。加えて天候が悪化すれば、足元が滑りやすくなったり視界が悪くなったりして危険度が上がり、更にエネルギーを消費することになる。だからこそ、適切な道具や知識、体力を持ち、アクシデントのリスクを最小限にとどめることが重要だ。



この日は台風の接近で時折強い風が吹いていたが、燕山荘の出発の時点では雨も降っていなかったので、レインウェアを着ることもなく出発することができた。槍を眺めながらの縦走、曇ってはいたものの、遠くの山々まで見渡すことができて幸せを感じた。しかし、3時間ほど進み大天井ヒュッテ(山小屋)に到着すると、いよいよ雨が降ってきた。ちょうど半分の行程で、まだあと3~4時間残っている。安全性を優先するならば、大天井岳には登頂せずに少しでも早く今日の目的地の西岳に向かった方が良いと判断し、すぐ西岳に向かうことにした。(大天井岳の登頂には∔1時間ほどかかるからだ)。



雨は次第に強くなってきて、辺りは真っ白になった。前後を歩く人はおらず、私は深い山の稜線上を一人で歩いていた。腰には熊鈴と熊除けスプレー、一人で山を歩くときの必需品だ。自分の身は自分で守らなければならない。

足元には美しい高山植物が咲いていて心を和ませてくれる。時々、曇りや雨だと不平不満をまき散らす登山者がいるけど、登山の楽しみは景色を見ることだけじゃない。五感のすべてで自然を感じることで、草花の匂いや風のさわやかさ、広いスペースを感じる解放感だって楽しむことができる。雨が降れば土や草木のアロマが素晴らしいし、霧が晴れた時の感動には心が躍る。大切なのは、他人の価値観や世の中の「普通」に惑わされないこと、どんな経験にも意味があるし、全てがかけがえのない経験になる。人は全てから学び成長することができる。そういうことを教えてくれたのはヨーガだ。ヨーガを学んでからというもの、人生の味わい方は一変した。ネガティブ思考は徐々に減り、どんな逆境にあっても、喜びや生きがいを感じることができるようになったと思う。それは、本格的に登山をするようになってから、益々感じていることだ。



約7時間半かけて西岳のヒュッテに到着した。ザックのショルダーハーネス(肩のベルト)が当たる鎖骨の部分や、ウエストベルトが当たる腰骨の痛みがずっと続いていた。明日に備えて十分に休養をとらなければ。あと、明日はもう少しザックの背負い方を工夫してみよう。まだまだ改善の余地ありだ。



今日はここにテントを張る。ヒュッテでテン場代の2,000円を払って受付を済ませた。濡れて疲れ切った体を少し休ませたかったが、コロナの都合で宿泊者以外は建物の中に入ることができない。お茶も飲めないし、テント代を払ったらすぐに建物から出されてしまった。これは、重荷を背負ってやっと安息の地に到着した登山者にとっては、本当にむごい仕打ちだと思う。仕方がないと受け入れてはいるが・・・。コロナ、早く終わって・・・。

雨がどんどん降ってきて、気温は低く吐く息が白い。どうしようかと悩んでいるうちに、体はどんどん冷えてきて、汗をたくさんかいているから、このままじっとしているのは危険だと思った。そこで、小屋の軒下でテントを作って、それを持ってテン場に走って移動する作戦に出た。なんとも滑稽な戦略だったが、他に良い方法が思いつかなかった(だってまだ素早くテント作れないんだもの(涙))。



どうにかして濡れながらもテン場にテントを張り終えた。大変だっただけに満足度が高かった。どんな困難も自分で解決して前に進まなければならない。それがソロ登山だ。だからこそ心身が鍛えられる。自分がソロ登山者として少しずつ成長していくのが嬉しかった。山は、困難に負けない心身の強さと、同時に柔軟性も与えてくれる気がした。(続く)

Om S'anti.

北アルプスの山行とヨーガ(②燕岳〜(大天井岳)〜西岳◆2日目)の動画

北アルプスの山行とヨーガ
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